2020年08月20日
MGC M76 GBB化 05

ボルトストロークはかなり長く、POM樹脂製とは言えボルト重量もかなりある(120g位)。マルイのノーマルウェイトガバのスライドのみが約90g。よってリコイルショックはかなりのモノ
ボルトの製作です。
材質はPOM樹脂 直径27mm(実際には28mmの規格品を27mmに落として使用)。

初めはアルミ丸棒から作っていたのだが、重量と加工のし辛さからPOM樹脂に。
滑りも良く、加工も豆腐を削るように楽だった。
中華製の卓上旋盤でもなんとか動作する精度で削れました。

ボルトの下面。
写真の左上の溝は、バルブロックをディスコネクトする為の溝。
GBBのエンジンは、マグナブローバックとマルイ負圧式を合わせた様な感じで、3Dプリンタでの精度が出しやすく強度を保ちやすい構成としています。
具体的には、
・中心部の負圧バルブを真鍮棒からの削り出し。
・その外側はマグナブローバックの様にシリンダーでは無くピストン形状に。
・ボルト側は直径14mmの穴を開け、シリンダーとしています。

GBBユニットの心臓部。
マグナと負圧式のハイブリッド。自作パーツで作動するのか何時も不安が有るのだが、割と元気よく動く。
ピストン径は14mm。
強度的に不安はあったのですが3Dプリンタ製のピストンユニットもかなりの作動に耐えています。

ピストンはこの位置で止まり、ボルトが後退すると引きバネによって、元の位置に戻される。
ボルト自体はさすがにPOM樹脂。滑りもよくて強度も高く、工作しやすい感じですね。
接着できないのが玉に瑕ですが、今後はガンガン使っていきたいと思っています。
2020年08月20日
MGC M76 GBB化 04

ほぼ全バラ状態の図。
実銃がシンプルなだけ有って、総部品点数は少ない。
次にGBBでは非常に重要な「バルブストライカー」と「バルブロック」を組み込みます。
実はM76のGBB化を始めた際に、M11の中華製Co2マガジンを使って制作し始めたのです。
ARー15系のCo2マガジンではバルブロックのないモノも有ったので、Co2で有ればバルブロックが無くてもストライカーだけで十分動くと思っていましたが、そう都合よく行きませんでした。
何しろM11用のCo2マガジンの燃費が非常に悪い事や作動が安定しない事からCo2マガジンの採用を取りやめて、マルゼンの134aマガジンを使用することにしました。
フロンガスマガジンを使用すると言うことは、必然的にバルブロックが必要と言うことで、ボルト周りとストライカーだけで簡単にGBB化すると要った野望は潰えることになります。
でも苦労の甲斐あって、そんなに容量の大きくないM11マガジンでも調子よく動きます。
さてバルブストライカーですが、ボルトに直接出っ張りを生やしてそれがマガジンのバルブを叩くというのが、最も単純で効率の良いやり方(実際KSCやマルゼンのM11はそうしている)なのでしょうけど、今回はボルトの一部がバルブストライカーを叩いてそれがマガジンのガスバルブを叩くという構成にしました。
実物ですと見づらいので、模式図を見て下さい。

図の右側が銃口方面。
ボルトが前進して、下面のアゴが、バルブストライカーを叩く。
ストライカーには溝が切ってあってバルブを叩いた位置で、バルブロックが上昇。暫くガスバルブの開放を続けさせ、ブローバック動作を助ける。
ボルトが一定位置まで後退すると、バルブロックが下降。同時にストライカーが定位置まで戻る。
で、実際のストライカーの動作はこの様に動きます。

ボルト後退状態

ボルトが前進、チャンバーからBB弾を咥えて、チャンバーに押し込みつつバルブストライカーが最大位置まで前進。

ボルトが後退して少しの間バルブを開き続ける為にこの位置でストライカーは停止。その後写真1枚目の状態に戻る。
ストライカーは外径10mm内径6.1mmのアルミパイプ(昔のなんかのバレル)をガイドパイプとして、6mm真鍮棒をストライカー本体とします。
ガイドパイプ部分のアルミパイプを、後方はボルト下方に、前方はマガジンバルブ部分にと、前下がりな感じで斜めに通します。

少々見づらいが、斜めに通っているバルブストライカーが見えるだろうか?
しかしながらM76はアッパーレシーバーが一体成形でマガジン後方部に隙間が無く、工作しづらいです。
そこで、マガジンウェル前方から思いっきり穴を開けて、ガイドパイプを通し、固定してしまいます。
開けちゃった穴はABS板にて塞いで、成型します。
ストライカー用のガイドパイプの固定が出来たら、バルブロック用の穴を開け、写真の様に動作すればOKです。
2020年08月20日
MGC M76 GBB化 03

先ず、モデルガン(kit購入者)・インターセプターレストアの方にも是非やっていただきたい工作から紹介します。
完成品で販売されたモデルガン(と実銃)はストックの体が当たる部分にコーティングが施されています。
それを再現するには、「熱収縮チューブ」を被せて、収縮させます。

ストックの下にあるのが収縮する前のチューブ。ヒートガンで熱すると約1/2に縮む。
かなり大きな範囲を熱するので、ライターとかではなくヒートガンを使用した方が綺麗に縮んでくれる。
熱収縮チューブにはいろいろなグレードが有るようですが、今回使用したのはデンカエレクトロンTHT-16.0 BKです。もちろんモノタロウで入手しました。
コの字形状のストックの曲がっている部分を収縮させるときに、引っ張りながらヒートガンで収縮させるとシワが寄りにくくキレイに仕上がります。

この写真は一回目なので過度に皺が寄っちゃっている。何回か試すウチに「引っ張りながら加熱するとイイっぽい」というのが判ったので、次はもっと綺麗に行くはず。
もう少しお高い収縮チューブだと収縮率が高くなるのでしわも寄りにくく製作しやすいのでしょうけど、びっくりするほどのお値段だったので、まぁ妥協しました。

アウターバレルを固定&チャンバーASSYを固定するパーツは3Dプリンタで出力した。
このパーツはレシーバーに接着固定している。
写真にあるレンチが刺さっている場所は、インナーバレルを固定する為のイモネジ。
レシーバーの前面には3Dプリンタで出力したブロックを接着します。
このブロックはバレルジャケットをネジ止めできるように、先端にM20のネジをモールドしています。
インナーバレルユニットはマルイのグロックを使用しますので、インナーバレルとチャンバーが収まるように造形>出力します。
マルイのグロックチャンバーも下部を削り落としてスリム化しています。

フロントサイトのブレードの下に斜めにイモネジが入っている。グロックチャンバーのHOP調整鉄板を直接押し込んでHOP調整する。
スリム化した関係で、HOP調整ダイヤルは搭載できなかったので、フロントサイト裏側からイモネジにて、HOP調整プレートを直接押す方式にしてます。
フロントサイトのブレードと同じ角度でイモネジを立ててます。
HOP調整は十分に出来るようです。
2020年08月20日
MGC M76 GBB化 02

ベースとなるのは「MGC M76 インターセプター」です。
インターセプターは探せばそこそこ出てくるので根気よく探しましょう。
もし制作しようとする方は、オークションや中古屋さんで入手する時に、フロント・リアのサイトガードが折れていないかをチェックして下さい。
どうせ発射機構はすべて取り出しますし、発射不能の個体でも問題無いです。
マガジンも一切使用しませんので、欠品でもOKです。
外装に関しても傷は再仕上げすればOKですし、まぁスチールパーツの錆が気になるところ・・・といった感じでしょうか。
マガジンはマルゼンのM11(ブタっ鼻マガジン)を使用します。
この作例ではマガジンを台形形状にするために、削ったり貼ったりしていますが、全体形状はそのままに、マガジンキャッチラッチのみの制作の方が良いと思います。

写真のようにマルゼンのGBBマガジンの特徴であるパッキンの穴を繋げている。
またマガジンの外観をM76のマガジンに似せる為に色々と切った貼ったしている。
で、肝心のエンジン部分はどうするかと言えば、ボルトは直径28mmのPOM樹脂からの削り出し。ピストンは3Dプリンタ出力。負圧バルブ・各種ピンなどは真鍮削り出しと、私の持てるモノをすべて使った感じです。
2020年08月20日
MGC M76 GBB化 01

M76・・・実銃としてはベトナム戦争当時、特殊部隊が使用していたカールグズタフM45が諸般の事情で使用できなくなり、その代替えとしてS&Wが開発したSMGです。
需要を当てにしていたベトナム戦争も終わり、開発されたM76も少々時代遅れの機構ということも重なって、軍などには大量採用されず、少量が警察機関などに納入されただけで生産が終了してしまったという、少々残念なSMGです。
これをMGCがモデルガンとしてモデルアップ。
モデルガンは1980年に発売だったと思いますが、その数年後にはエアガン・サバゲブームとなり、モデルガンをベースとしたフルオートガスガン 愛称はインターセプターとして後に発売されました。
当時はアサヒファイヤーアームスやJACのBV式が主流で、インターセプターもBV式を搭載したガスガンでした。
元々がモデルガンということも有って非常にリアルな外観ではあったのですが、マガジンがスクリュー式だったことや、ガスホースの取り回し、当時の主流であったハイパワー化改造が難しい事などにより、あまり人気が出ずにあっと間に姿を消していました。
そのM76をGBBとして蘇らせたいと思い、今回の制作となりました。
実銃が部品点数が少なく、シンプルな構成で、それはGBB化したときも同様でした。
オープンボルトのフルオートGBBというのは撃っていて非常に楽しいので、おすすめです。